英国クリスマスカードのルール2023年版

英国の暮らし

Hello, Cuppa Timeアンジェラです。

12月に入ると英国の街並みはすっかりクリスマスモードになり、クリスマスカードのやり取りが始まります。

ですが、英語でクリスマスカードを送るとなると、どんな決まりごとがあるのか、カードやメッセージはどんな風に書いたらいいのか、よくわからなくて困ってしまう事もありますよね。

そこでこの記事では、カードの選び方から、封筒やカード内の宛名&差出人の書き方、そしてメッセージの決まり文句まで順番に詳しく解説していますので、英語でクリスマスカードを送る際にはぜひご参考ください。

また、クリスマスカードを送る時期はいつからいつまで?とか、誰に送るべきか送らないべきか、喪中の時は?、送ってはいけない時はある?、送っていない人からもらったら?といったいろいろな疑問にもお答えしていますので、もう英国のクリスマスカードのマナーで悩むことはありません

クリスマスカードの選び方

いろいろなクリスマスカード

では早速、クリスマスカードを選びましょう。

この時期になると(この時期にならなくても!)お店には、たくさんのクリスマスカードが並びます。

英国には、カードだけを扱うカードショップもありますし、スーパーデパートからギフトショップファームショップチャリティーショップガーデンセンターミュージアムギャラリー、もちろんオンラインショップまでいろいろなクリスマスカードがそろっているので、見ているだけでも楽しくなります。

キラキラ(glitter)の付いているカードはクリスマスらしくてきれいですが、子どもの(大人も)手やら顔やらあちこちに付くのでご注意くださいね。

チャリティークリスマスカード

英国ではチャリティ活動も盛んですので、数多くあるチャリティー団体クリスマスカードを販売しています。

特にチャリティ団体が直接販売しているクリスマスカードは、売り上げがきちんとチャリティーに入るようですので、積極的に買うようにしています。

中には、チャリティーカードと謳っていてもチャリティにはほんの数%しか還元されていないものもあります。出来るだけ高い割合がチャリティに入る(パッケージに明記してある)ものをチェックしてみてください。

サイズ・値段

クリスマスカードは本当にいろいろな種類があり、値段もお徳用パックから高級なものまで様々です。

一般的には、祖父母高齢の親戚クリスマスが大好きな人には、大きめの上質なカードを送るととても喜ばれます。

子どもの友達や同僚など数が多いやり取りの場合は、小さめのカードが書きやすく渡しやすく、値段も手ごろなので人気です。

もらったカードは暖炉の上や窓辺に並べて楽しむので、ポストカード型や特別に凝った作りのものより、そのまま立てて飾れる見開き二つ折りのカードが好まれます

カードの書き方

さて、カードが入手できたら早速書いていきましょう。

宛名の書き方

カード内

カードの中に書く宛名は、見開いた右側のページの左上から書きはじめます。

To 送る相手の名前

クリスマスメッセージ

From 差出人の名前

個人宛て

個人宛の場合は、シンプルに「To 名前」です。

相手のファーストネームまたは普段呼んでいる呼び方ニックネームがあればそのまま書きます。

家族宛て

家族宛ての場合は、

To 自分に近しい相手の名前、その配偶者、子ども(年齢順)

のように、全員の名前を書きます。

名前を書く順番

実はここで、「男性を先に書くべきか女性を先に書くべきか」というひそかな⁈論争があります。

論争があるということは逆に言えば、正しい順番は決まっていないということです。

基本的には、自分に近い相手から書くのが良いと思います。

例えば、自分の会社の同僚に送る場合は、「同僚、同僚の配偶者、子ども(年齢順)」というような感じです。

仕事上の関係だけで家族ぐるみの付き合いが無い場合でも、たいていの場合本人だけでなく家族の名前まで書きます。通常、(前年に)相手からもらったカードには相手の家族全員の名前が書いてありますので、とっておくかメモしておきます。

家族の名前がわからない場合や、家庭内の事情が複雑そうな時⁈は

To 送る相手の名前 & Family

にします。また、必ず「& Family」を書かなくてはいけないわけではありません。

結局どうすればいいのかわかりにくいかもしれませんが、クリスマスカードのやり取りは双方向なので、相手の書き方に合わせておくのが一番簡単です。

封筒の宛名(手渡し)

宛名は、カードの中だけではなく、封筒にも書きます。

個人宛て

個人宛ての場合は、カードの中の書き方と同じ「To 名前」です。

家族宛て

家族宛ての場合、封筒には全員の名前を並記する必要はありません。

同僚や友人なら「To 名前」で十分です。

親戚家族ぐるみで付き合いのあるファミリー宛ての場合は、書き方は2通りあります。

  • To The Surname Family (例えばSmith一家なら「To The Smith Family」)
  • To The Surname+s  (例えばSmith一家なら「To The Smiths」)

近所の人

苗字がわかっていれば、家族宛てと同じ書き方で書きます。

直接相手のレターボックスに入れてしまう事も多いので、住所の1行目(番地とストリート名)のみなど、投函する時にどの家に宛てたカードか自分がわかればOKです。

封筒の宛名(郵送)

郵送の場合は、手紙を送る時と同じです。

英国では、下記の順番で改行して名前と住所を書きます。

To 名前またはTo The Surname FamilyまたはTo The Surname+s

10 Larry Street(番地とストリート名)

LONDON(街の名前)

AB1 2CD(ポストコード)

UK(英国外から送る場合)

手紙の宛名というと「Mr & Mrs 名前」 をご存じの方も多いかもしれません。

ですが、タイトル(Mr/Miss/Mrs/Ms/Mx)の選び方、夫婦でも苗字が同じ場合と違う場合、最近では同性婚の場合などルールが細かいので、また改めてご紹介したいと思います。

差出人の書き方

差出人が無いと誰からのカードかわからなくなってしまいますので、差出人も忘れずに書きましょう。

カード内

差出人の名前は、クリスマスカードを見開いた右側、送る相手の名前を書いたのと同じページ一番下に書きます。

自分の名前だけなら、やや右側に寄せて書きます。

To 送る相手の名前

クリスマスメッセージ

From 差出人の名前

ファミリーの名前を並記する場合は、長くなってかまいません。1行で全員が入らない場合は、2行以上になることもあります。

個人名

個人間のやりとりの場合は、シンプルに「From 名前」です。

ファーストネーム(下の名前)または、送る相手から通常呼ばれている名前を書きます。

家族全員を並記

ここでも、家族ぐるみの付き合いが無い友人や同僚でも、家族全員の名前を書くのが一般的ですので、

From 自分の名前、配偶者、子ども(年齢順)

のように、家族全員の名前を書きます。

名前を書く順番

こちらも、以前は男性の名前から先に書くのがマナーだったようですが、今はそのようなマナーはありません。

基本的には、カードを書いている本人が自分の名前から書けば良いと思います。

自分の会社の同僚に送る場合なら「自分、配偶者、子ども(年齢順)」というような感じです。

義実家には「配偶者、自分、子ども(年齢順)」にしているという知人もいました。

家族や親戚に送るカードでしたら、それぞれが自分で自分の名前を書くのがベストかと思っています。小さい子でまだ字が上手に書けなくても、それもまたかわいいですよね。

前年にやり取りがあったり先にもらったりした場合は、相手の書き方に合わせておくのがベストです。

封筒の差出人(手渡し)

手渡しする場合、紛失の恐れはないので、封筒の差出人は書かなくて大丈夫です。

近所の人の場合も、相手のレターボックスに直接入れてしまうので特に必要ありません。

封筒の差出人(郵送)

郵送の場合は、宛名と同じく差出人も明記します。

右のRoyal Mailの例では「Return address」となっていますが、この言い方はビジネスの場合に多く使われるので、個人の場合はシンプルに「From」で大丈夫です。

この例のように、送付先住所の書き方と同じ順番や改行の仕方で書きますが、差出人住所は、名前や州は省略してしまったり、1‐2行にまとめてしまうこともあります。

日本では、この例と同じように裏側の下の方に書くことが多いかと思います。

英国では、封をしたフラップのところ表側の左上に書くことも多いのですが、「From」を付けるか、宛名より小さめの字で書くようにします。

メッセージ

これで宛名と差出人の書き方がわかりました。次に、カード内のメッセージはどうしたらいいでしょうか?

実はクリスマスカードには宛名と差出人を書くだけで、近況などは書きません

書いてはいけないわけではないのですが、通常書かないので、何か一言添えた方がいいかと悩む必要はなく、個別のメッセージがなくても冷たい印象は与えませんのでご安心ください。

定番メッセージ

市販のカードはクリスマスのメッセージが印刷されているものが多いですが、基本の定型メッセージはクリスマスと新年を祝うこのような文面です。

Whishing you a

Merry Christmas

and

a happy new year

もし、印刷されているメッセージにこの定番のフレーズが入っていなければ、手書きで書き加えてもいいですね。

例えば「Whishing you a Merry Christmas」とだけ印刷されているカードに「and a happy new year」と書き足したりします。

便利なフレーズ

印刷されたメッセージがあっても、カードが大きめだったりすると、余白が多くて寂しい感じがする時もあります。

そのような時は、こんなフレーズが便利です。

Best wishes for 2024

とか

All the best for 2024

クリスマスカードのメッセージは新年へ向けてのメッセージですので、2023年のクリスマスに送る場合は「for 2024」になります。

クリスマスカードを送る時期

いよいよカードが書けたら送るわけですが、クリスマスカードを送る時期はいつからいつまででしょうか?

クリスマスカードは、遅くともクリスマスの25日までに相手に届くように送ります。

クリスマスカードをもらった人は、ツリーなどのクリスマスデコレーションと共に、もらったカードも部屋に飾って当日を楽しみに待つので、12月の第1週くらいから10日くらいでも早すぎることはありません。

出来るだけ15日くらいまでには届くように送りましょう。

よく会う友人や同僚には、直接渡すか、家を知っている場合は、通りがかりやついでの時にその家のレターボックスに直接入れれば完了です。

学校や大きい職場では、校内や社内で交換するクリスマスカード専用のポストボックスが設置されるくらいです。

英国内の投函期限

英国のRoyal Mailは毎年、クリスマスカードが25日までに届くための投函期限を発表しています。

今年(2023年)は、英国内から英国内の住所に25日までに届くためには、2ndクラスは12月18日(月)まで、1stは12月20日(水)までに投函(回収時間前)となっています。

クリスマスの切手

毎年デザインの変わるクリスマス用の切手も楽しみですね。

もちろん、クリスマスの絵柄ではない通常の切手でもOKです。

なお、バーコードの付いていない切手は使えなくなりしたが、クリスマスなどの特別切手や記念切手に関しては、バーコードのない切手もそのまま使えます。

英国から日本へ送る

日本へ発送する場合、25日までの配達を保証する投函期限は12月6日です。

英国から日本へ送る場合は、100gまで:£2.20です。

円安の今£2.20を円に換算すると約400円ですから、日本へちょっと気軽に送れる値段ではなくなってしまいました…

送る相手

では、英国の人々は、誰にクリスマスカードを送っているのでしょうか?

家族

英国では、家族内でもクリスマスカードを送り合います。

同じ屋根の下に住む家族にはわざわざ送らない人もいますが、同居家族にも一枚ずつ、例えば配偶者同士、親から子、子から親へもそれぞれ書くファミリーもいます。

親戚

祖父母や実家、おじやおば、いとこや甥姪にも贈るのが普通です。

親戚一家には、一人に1枚ではなくファミリーに向けて1枚でも大丈夫です。

これも、ファミリーによって違ったりしますが、相手に合わせてもいいですし、自分のやり方でもよいと思います。

友人

よく会ったり頻繁にメッセージをやり取りしている相手には送らない人もいますし、親しいからこそ特に素敵なカードを選んで送ることもあります。

頻繁にはやり取りしていない友人との、年1回のごあいさつになっている場合もあります。

同僚・仕事相手

こちらも友人の場合と似ていて、よく会っているのだから送らないという人・職場と、一緒に仕事をしている仲間だからこそ送るという人・職場があります。

退職や転職後にクリスマスカードのやり取りが続くと、お互い元気なのがわかってうれしいですね。

友人の場合と同じく、一緒に仕事をしていればその人がクリスマスやクリスマスカードが好きかどうかはわかるので、好きな人には送るようにしています。

近所の人

ロンドンや大きな都市のFlatなどの場合は、面識のない近所の人とクリスマスカードのやり取りはあまりしないかもしれません。

ファミリーが多く住む地域では、近所の人とあいさつ程度かそれ以上の交流がありますので、両隣や庭やドライブが接しているお隣に送ります。

大家

大家さんが近くに住んでいたり、家の不具合などにも対応してくれる場合は大家さんにもクリスマスカードを送ります。とても親切にしてくれる場合は、チョコレートなどのお菓子を添えてもいいかもしれません。

エージェントに任せていて直接やり取りが無い場合は、特に送る必要はありません。もしエージェントの担当がいつも同じ人でとてもお世話になったような場合は、エージェントの担当の人に宛てて送る(渡す)こともあります。

子どもの先生

子どもの学校の先生には、子ども自身が自分で書いて送ります。

担任の先生だけでなく、アシスタントの先生補習などをしてくれている先生もお忘れなく。

基本的に親からカード送る必要はありませんが、地域や学校、公立と私立でもまた違うようです。

転入したばかりとか、何か特別にお世話になった場合などは、チョコレートなどのちょっとしたお菓子クリスマスカードを添えて、親からも渡します。

子どもの習い事の先生

子どもの習い事の先生コーチにも、基本的に子ども自身が自分で書いて送ります。

私の周りでは、習い事の先生やコーチには、子どもからの(または親からの)クリスマスカードとチョコレートなどのお菓子を一緒に渡す人が多いようです。

送る?送らない?

クリスマスカードのやり取りを楽しみにしている人も多いですが、もちろん誰もが楽しみにしているわけではありません。

送った方がよいのかわからない場合は、もらってから返しても大丈夫です。

また最近はいろいろな理由(紙ごみの削減SNS上のメッセージで送る等)で、クリスマスカードの習慣をやめる人も増えてきています

ですので、送らない選択もありますし、カードを送ったからといって必ず返ってくるわけでもありません

そのような訳で、大人はやめる人が増えてきていますが、子どもがいるファミリーには家族みんなで見れるようにカードを送るようにしています。

また、字の練習をしている年齢の子どもには、字を書くとても良い練習になりますしマナーを教えるいい機会にもなるので、ぜひ一緒にカードを書いてほしいと思います。

喪中

ところで、クリスマスカードに「喪中」の習慣はあるのでしょうか?

クリスマスカードのかわりに喪中のお知らせをするという習慣はありません

ですので、ご不幸のあった方にもクリスマスカードを送っても大丈夫です。

ただし、カードのメッセージに「Happy」や「Merry」は避け

I am thinking of you.

とか、「Christmas」という単語が入ったとしても

Our love and thoughts are with you during the Christmas season.

といった文面で送るようにします。

非キリスト教徒

喪中の習慣はありませんが、クリスマスカードを送ってはいけない相手もいます。

英国はキリスト教の国ですが、英国に住んでいる人がすべてキリスト教徒なわけではありません

クリスマスはキリスト教のお祝いです。無宗教ならまだしも、キリスト教以外の宗教の敬虔な信者にクリスマスカードを送るのは失礼になります。

そのような時は「クリスマス」の入っていない「Season’s Greeting(季節のごあいさつ)」のカードや何も書いていないカード年末年始のごあいさつとして送ります。

宗教によっては、例えばインド系ヒンズー教の人々はあまり厳しくなく、きれいで楽しいからと、日本人の様な感覚でクリスマスのお祝いをする人も多くいます

また、クリスマスを祝わない宗教の信者であっても、子ども同士の場合は、お友達との(クリスマス)カード交換をさせているご家庭もありますので、カードをもらった場合には返しても問題ありません。

その場合でも「Season’s Greeting」や「Christmas」を使っていないカードを選ぶのがベストです。

送っていない人からもらったら

送っていない人からもらったら、できるだけ25日に間に合うように返します。

もらったタイミングが遅く、送っても25日を過ぎてしまう場合は、「A Happy New Year」のみのカードを、1月1日に間に合うように送ってもいいかもしれません。

クリスマスカードは年賀状

なんだか、クリスマスカードって日本の年賀状に似ていませんか?

年末年始に欠かせない伝統行事でもあり、決まり事やエチケットがあり、そして時代と共に変わってきています。

あまり連絡をとれていないけれど、クリスマスカードのやり取りだけが続いているような相手がいるところも似ています。

もうかれこれ20年近く前、中部地方に引っ越した当初に借りた家の大家さんは、すぐ裏に住んでいてなにかとお世話になったのですが、クリスマスカードのやり取りは今でも続いています。

日常ではほとんど手紙をもらったり送ったりすることがなくなった今、クリスマスカードを受け取るとうれしくなるのは、私が古い人間だからでしょうか。

Cuppa timeにお付き合いいただき、ありがとうございました。

みなさま、良い一日を!

See you soon!

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