英国のテーブルマナー・食事の席で知っておきたい10のこと

英国の暮らし

Hello, Cuppa Time アンジェラです。

伝統と格式を重んじる英国、実は食事中のマナーも意外に見られています。

イギリス人は声に出して指摘したりしませんが、ひそかにマナーやふるまいで人物評価をしていますから、気を付けなくてはいけません。

でも、不安になる必要はありません。あくまでも、お互いが気持ちよく食事ができるのが基本ですから、日本と同じところは再確認し、違うところを知っておけば安心です。

テーブルマナー

「テーブルマナー」と一口に言っても、わりとカジュアルだったりとても格式が高かったりと多様ではありますが、相手に嫌な思いをさせず、楽しく食事が出来たらいいのは万国共通です。

ただ、職場や学校の会合などで食事をする場では、こうした席でのマナーでその人の印象や人物評価が決まったりしますので、ここは押さえておきたいところです。

それでは、知っておきたい10のマナー、順番に見ていきましょう。

カトラリーの順番

ある程度きちんとした集まりに利用するようなレストランでは、はじめからカトラリーやグラスがテーブルにセッティングされています。

席に案内されると、食器やカトラリーがずらりと並んでいるのをみてすでに不安になってしまう方もいるかもしれませんが、使う順番に目的に合うように置かれているだけなので、決して難しくありません。

  • お皿の右側のスプーン:スープ用
  • 外側のセット(通常小さめのフォークとナイフ):前菜用
  • 内側のセット(通常大きめのフォークとナイフ):メインコース用
  • お皿の向う側に平行に並んでいるセット(一番小さいカトラリー):デザート用
  • 左側の小さめのお皿とバターナイフ:パン用

また、カトラリーやグラスは、食事の注文をした後で、注文したものに合わせて調整されます。

例えば、スープを頼まなければスプーンが下げられたり、逆にはじめはスプーンは置かれておらず、スープを頼んだ時だけスープ用のスプーンを持ってくるお店もあります。

ナイフは、ステーキを頼むと先のとがったステーキナイフに、魚料理なら魚用のナイフに交換されることもあります。

飲み物にワインを頼まなければ、ワイングラス等も下げられます。

ナイフは右手・フォークは左手(絶対)

では、いつどのカトラリーを使えばいいかわかったところで、カトラリーの使い方のルールはあるのでしょうか?

実は基本のナイフとフォーク、ナイフが右手&フォークが左手ときちんと決まっています。

このルール、左利きの場合でもナイフを右手&フォークを左手で食事をすると決まっているそうですよ。

以前複数人で食事をした時のこと、ある国の方が、左手にナイフ、右手にフォークで食事をしていました。

手が反対だっただけで普通に使っていたのですが、後から参加者の英国人が「あの国はフォークとナイフは使わない国だったっけ?」のようなコメントをしていたことがありました。

ですので、途中でナイフを置いて、フォークを右手に持ち替えてはいけません

英国のレストランでごはん(ライス)が出ることはあまりありませんが、インドカレーなどでライスがあっても、左手のフォークの背にカレーソースと一緒載せてに食べます。

イギリスのマナーブックには

Do not use your fork like a shovel.

(フォークをシャベルの用に使ってはいけない)

と明記されているくらいです。

英国で、骨付き肉より鶏むね肉の方が人気(ゆえに値段も高い)のは、骨が付いているとフォークとナイフで食べにくいからです。

一口で食べる

さて、ナイフを右手、フォークを左手に持ったら、いよいよ食事をするわけですが、フォークに刺した状態のものをかじらないのがマナーです。

お皿の上でフォークをさしたらナイフで一口大に切り、フォークに刺さっているものは一口で食べます。

また、全てをサイコロステーキのように切ってしまわず、次に食べる分だけを一口で食べられるサイズに切り、刺した分は一口で口の中にいれます。

口を閉じる

食べ物を一口で口の中に入れたら、必ず口を閉じて食べましょう。

当たり前のようですが、意外に出来ていなかったり、話に夢中になると忘れてしまうこともあります。

イギリスの子ども達も小さいころから、

Don’t talk with your mouth full.

口の中に入っている時にしゃべってはいけない」としっかりしつけられています。

次の一口を入れる時や飲み物を飲む時も、口の中のものがなくなってからにします。

このマナーは、出来ていないと特に目立つので気を付けたいところです。

乗り出さない・取ってもらう

こちらのマナー、意外と気づいていない方が多いかもしれません。

レストランで「テーブルに乗り出す人なんていない」と思われるかもしれませんが、テーブルの少し遠くにあるものをとろうとして、人の前に手を出したり、少し乗り出したりしていませんか?

少し遠くのところにあるものが欲しい時、つい遠慮して、相手をわずらわせないよう自分でとろうとするかもしれません。

ですが、塩コショウやコーヒーのミルク等々、自分でとろうと相手を横切るように手を伸ばしたりせず、取ってもらうよう近くの人にお願いするのがマナーです。

また、みんなでシェアする料理の場合は、自分のお皿に自分の分をとったら、基本は右側の人(時計と反対周り)にお皿を渡します

取ってもらう時のフレーズは、

Could you pass me the ○○?

○○を取ってもらえますか?

です。

食事中・終了の合図

そんなわけで、何かを取ってもらったり取ってあげたり、あるいは飲み物を飲んだりと、食事の途中で、ナイフとフォークを置くこともありますよね。

その時は、右側にナイフ左側にフォークを、八の字の様な形で置きます。フォークやナイフの食べる部分はお皿の上に、持ち手はお皿からはみ出るかテーブルの上になるように置きます。

食べ終わった場合は、お皿の上にナイフとフォークを横に並べておくと「食べ終えました」の合図になります。

コース料理の場合は、全員分の食べ終わったお皿を下げてから次のコースが給仕されます。

きれいに食べきっている場合は、「終わりましたか?」と聞いてくれることもありますが、食べきれずお皿に残っている場合、終了の合図をしないと終わっているのか判断できないため、なかなか下げてくれないかもしれません。

スープ

いろいろなマナーでもうお腹いっぱいかもしれませんが、もう少しお付き合いください。

日本語でスープは「飲む」ですが、英語ではスープは「drink」しません。

eat」もしくはもっと一般的に「have」になります。

マグカップにいれるような粉スープなら「drink」と言うこともありますが、スープは飲むというより「食べる」ものです。

ですので、スープをいただく時はスープボールは持ち上げず、手前から向う側へ向かってスプーンですくいます。

そして、スプーンから飲む時にすすらないように注意します。

すすらない

英国のテーブルマナーの中で一番気を付けなくてはいけないのは、この「すすらない」かもしれません。

食べものでも飲みものでも、イギリスでは絶対にすすってはいけません

最近は、イギリスでも「うどん」や「ラーメン」が大人気なのですが、こちらもイギリス人は絶対にすすりません

みなさんが食べているのが「うどん」や「ラーメン」であっても、イギリスの店内ですすってしまうと周囲からの視線を感じることになります(いらすとやさんに、わざわざヌーハラのイラストがあるくらいです)。

日本や日本食が大好きで「うどん」や「ラーメン」はすすって食べるものと理解している人もいます。

それでも、すすって食べるのはマナー違反というのがとにかく身についていますので、すすって食べるものだと言われても抵抗があるものです。

例えば、イギリスでは家の中で靴を履くのが普通だと言われても「だったら私も家の中で履こう」とはならないように、そういうものだからと言われてもすぐになじめるわけではありません。

ましてやスープは音を立てずにスプーンで食べるものですから、絶対にすすらないよう気を付けましょう。

職場のデスクで飲むお茶やコーヒーも、熱いと「ずずっ」としてしまいがちですが、これも英国人は嫌がりますので気を付けてくださいね。

鼻をかむ

「すする」といえば、もう一つ大事なマナーがあります。

英国では、食事の席に限らず鼻をすするのもNGです。

では、鼻が出てしまう時はどうしたらいいのかというと、人前でも鼻をかむのはOKです。一言「Excuse me」などと言ってティッシュを出してかみます。

人前で鼻をかむのにはなんだか抵抗があるかもしれませんが、かまずにすすっていると、かえって「汚い」とか「失礼」と思われてしまいます。かんでしまった方が本人もすっきりするので、ここはかんでしまいましょう。

ペースを合わせ楽しく会話する

最後の10番目のマナーは、お互いが気持ちよく楽しく食事をできるように努めましょうということです。

そのためには、きれいな(清潔な)服姿勢良く座り、周りのペースにできるだけ合わせながら会話に参加すること。なかなか会話は難しくても、相手を見て話を聞きうなづくだけでも伝わると思います。

みなさんも、マナーを守りつつ、食事の席を楽しんでくださいね。

Cuppa Timeにお付き合いいただき、ありがとうございました。

みなさま、良い一日を!

See you soon!

にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました