【イギリス英語】国連総会でブリティッシュ皮肉の本領発揮:ビジネスでも使える英語のフレーズが盛りだくさん

ブリティシュ英語

Hello, Cuppa Time アンジェラです。

英国といえばブリティッシュ皮肉も有名ですが、そんな英国らしさが存分に発揮された場面がニュース(日テレNEWS)になっていました。

これぞブリティッシュ!という短い文章の中に、そのまま使える英単語やフレーズがたくさん詰まっていましたので、ご紹介したいと思います。

自分から辞めたロシア

国連総会でロシアの人権理事会の会員資格を停止する決議が採択され、日本でも大きく報道されました。

日本のニュースで、「ロシア側が自分から辞めたと言った」と報道されている部分、英国ではこのように報道されていました。

He said Russia had decided to give up its membership of the council with immediate effect.

https://www.theguardian.com/world/2022/apr/07/russia-suspended-un-human-rights-council-ukraine

“彼(ロシア代表)は、ロシアは即時に理事会の加盟を放棄することを決めていたと言った。”

するとすかさず英国の国連大使が皮肉を返しています。

ブリティッシュ皮肉で応酬

資格を停止されたのに「自ら辞めた」と主張するロシアに対して、英国の国連大使はこんな皮肉で応酬しています。

That sounds like someone that’s just been fired tendering their resignation.

https://www.theguardian.com/world/2022/apr/07/russia-suspended-un-human-rights-council-ukraine

“まさに、解雇された者が辞表を出すようなものだ。”

こういう辛辣な一言がすぐに出てくるのが英国人、ブリティッシュ皮肉の真骨頂です。

ビジネスで使える英語のフレーズ

この短い応酬の中に、ビジネスシーンでも使える便利な英語表現が満載でしたので、順番に見てみましょう。

give up

He said Russia had decided to give up its membership of the council with immediate effect.

「give up」は、日本語でも「ネバーギブアップ」のように言いますので、なじみがありますよね。

そして、人が「give up」するだけではなく、上の文のように「membership(加盟資格)」など物事に対しても使うことが出来ます。

今回の国連でのやりとりですと「放棄する」とか「断念する」という訳が合うでしょうか?

its

He said Russia had decided to give up its membership of the council with immediate effect.

続く「its membership」の「its」は、とても英語らしい言い方です。

ここで話題になっている「membership」は人権理事会の会員資格と特定されるので「Give up the membership」にしてしまう方も多いかもしれません。

ですが、この場合は「Give up its membership」が正解です。

そもそも、「its」て何?という方、「mine」が「私の」、「yours」が「あなたの」なら「 its」は「 その(人以外の物のもの)」にあたります。

英辞郎OntheWeb

ロシアが「所有していた」資格を放棄するので、「membership」に所有格の「its」が付きます。

彼(ロシア代表)は、ロシアは即時に理事会のその加盟資格を放棄することを決めていたと言った」と訳せますが、日本語ではわざわざその「その」は言わないですよね。

ですから英語の言い方にすぐには慣れないかもしれませんが、「Give up its membership」には所属感がよく表れていて、とても自然な英語になります。

with immediate effect

He said Russia had decided to give up its membership of the council with immediate effect.

文末の「with immediate effect」もよく使う表現です。

「immediate」は即時の、「effect」は効果ですので、まさに即効ですね。

「就任」や「辞任」と相性のよいフレーズです。

His appointment to the ○○ is with immediate effect.

彼は○○に即時就任する

He has been suspended from the office with immediate effect.

彼は、即時停職処分となった

sounds like

お返しのブリティッシュ皮肉の方もまた、ビジネスで使える英語表現ばかりでした。

That sounds like someone that’s just been fired tendering their resignation.

文頭の「sounds like」は、「まさに、~のような」とか「まるで」という時に使います。

良い意味でも悪い意味でも使える言い方です。

他の例文で見てみましょう。例えば、何かその人らしい時に、

That sounds like him/her.

彼・彼女らしいね

と言います。

また、何か楽しそうなことに誘われたり、何かおもしろそうなことを話してくれたら、

Sounds like fun.

楽しそう

と答えることが出来ます。

ちょっとした会話の相づちにもとても便利です。

fired

That sounds like someone that has just been fired tendering their resignation.

次の「fired」は「クビになった」、つまり「解雇された」です。

「fire」が「辞めさせる」という動詞なので、「be fired」で「辞めさせられる」です。

BBCのリアリティ番組『アプレンティス』で、番組の最後に毎週一人が

You are fired!

おまえは、クビだ!

と言われて脱落していくシーンを思い出す方もいるのではないでしょうか。

なお実際には、テレビ番組内のように「You’re fired」の一言で解雇されることはありません。

本人と上司で話し合い、人事部や組合も交えた正式な会合がもたれ、何段階もの正式な手続きを経て認められた場合に初めて解雇となります。

tendering resignation

That sounds like someone that’s just been fired tendering their resignation.

最後の「tendering resignation」。同じ辞めるでも、「fired」と違って自分から辞めるのが「resignation」です。

辞任の「resignation」を提出する時に使われる動詞が「tender」です。

動詞で「tender」を使うのは、ほとんどの場合「辞表の提出」か「入札」かのどちらかです。どちらも、正式に書面を提出するイメージです。

resignation」はある程度のポジションなどを辞す時に使う言葉なので、転職などで退職する時には「resignation」は使いません。「resignation」に相当する日本語は「辞任」です。

短い応酬のすべてがビジネスでも使える英語ばかりでしたので、ぜひいろいろな場面で使ってみてくださいね。

国連はブリティッシュ英語

ところで、引用元のガーディアンニュース(英文)を読んでいただいた方はお気づきかもしれません。

国連で採用されている英語は「ブリティッシュ英語」です。

国連総会で決議をとるにあたっては、賛成・反対・棄権の選択肢があります。

英単語はそれぞれ「favour」「against」「abstained」です。

賛成 favour

反対 against

棄権 abstained

この、賛成の「favour」はイギリス綴りで、アメリカ英語では「favor」になります。

同じパターンで、ブリティッシュ英語で「色」は「colour」アメリ英語は「color」、「港」もイギリスは「harbour」でアメリカは「harbor 」と綴ります。

国連では、ブリティシュイングリッシュに統一するよう決められていますので、賛成の場合の「favour」もイギリス式に綴られているという訳でした。

ここぞとばかりに鋭いブリティッシュ皮肉をお見舞いする英国人、頭が良いのか毒舌がとまらないのか……私たちの英語の勉強になることだけは間違いありません⁈

Cuppa Timeにお付き合いいただき、ありがとうございました。

みなさま、良い一日を!

See you soon!

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